「触媒についての常識は、化学屋の中でも特定の触媒専門家しか知りません。
まして自動車メーカーの中の機械屋さんは失礼ながら全くご存知ない。
ご存知ないから私に『とにかくやってみろ』といわれたのです。
私も、これまでの常識にとらわれないで、『いっぺん挑戦してみようか』という気持になりました。
それからいろいろやってみましたが、やはりなかなかうまくいきません。
ところが機械屋さんたちは、触媒についての先入観がないから、なかなかあきらめません。
『やり方がまずいんじゃないか。あっさりやめないで、もっと頑張れ』と激励してくれます。
私たち化学屋から見れば随分苦しい時期もありましたが、結果的には従来の常識の壁を破り、触媒による排ガス規制に成功しました」
この触媒の誕生でバスやトラック中古車が真っ黒な排気ガスを吹いて走ることはなくなりました。