「排ガスの中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を除去するのに触媒が非常に有効だ、ということは、われわれ化学屋も随分以前からわかっていました。
昭和40年代の初めには、すでにこれに関する多くの特許もありました。
しかし触媒の本来の性質からいって、これは化学工場などのような条件の一定した固定発生源だけで使われるもので、自動車のような環境では、触媒のすぐれた性質を十分に生かして使うのは非常にむつかしい、問題が多すぎる、一筋なわではいかない、と考えられていました。
だから『自動車に触媒を使うことを研究せよ』といわれた時、私は『そんなバカな』と思ったのです」
ですが、技術者たちはこの逆境を乗り越えて、自動車用の触媒を作り上げます。
そのおかげで、現在のトラックや中古車トラックですら煙を上げて走るようなことはなくなったのです。